桜餅の葉っぱは何の為に巻かれているのか

桜餅の葉っぱは、多くの人が何の為に巻かれているのかわからず、実際に剥がして食す方も少なく無いのが現状です。桜餅は、関東では長命寺と呼ばれ、関西では道明寺と呼ばれている事から関西人の方が何の為に巻かれているのかわからない人が多いと言われ、理由はこの餅の起源にあると言われています。

桜餅は、江戸幕府第3代将軍徳川家光が命名した事でも知られる東京の隅田川向島にある長命寺の門番であった山本新六が、邪魔な桜の落ち葉を醤油樽で塩漬けにして巻いた餅を売った所、瞬く間に江戸で人気になったのが起源です。

その為、長命寺餅に巻かれた葉っぱは、餅で包まれた餡子の甘みを更に強める目的と邪魔な桜の葉っぱの処分方法であったとされ、当時の人も何の為に巻かれているか知らない人も多かった様です。

現在では、桜餅に巻かれる葉は東京の隅田川長命寺ソメイヨシノではなく、伊豆大島で取れる大島桜の葉っぱが全体の8割以上を占めています。大島桜の葉は、染井吉野などの極一般的な桜の葉に比べて大きく塩漬けにした際に桜餅の独特な香りとなるクマリンを多く放出し、見た目を飾るだけで無く食欲も増加させる作用があります。

クマリンは、シナモンの香りのシンナムアルデヒドやコーヒーの香りのコーヒー酸などと共に人間の好む天然の香り成分の代表格です。

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