初夏を彩る、紫色の涼やかな花たち

暑くなってくると、通りすがりの家の庭や、道端の涼しげな花に眼を奪われます。昔から歌に詠まれる紫色の美しい初夏の花はたくさんありますが、案外名前を知らないものも多いものです。

 

あじさい、あやめ、かきつばた、藤、なでしこなど誰もが知っている有名な花も多いですが、アガパンサス、ひめはぎ、紫蘭、タツナミソウ、ハコネウツギ、オウギカズラなどあまり知られていない種類も多いです。

 

この時期に見る紫色はとても幻想的な魅力があります。雨に濡れたアジサイがみせる独特のグラデーションは、時間を忘れて魅入ってしまう美しさです。樹齢が長く、繁殖力が強い藤は縁起の良い植物として昔から親しまれてきました。

 

藤棚の高貴で豪華な様子見たさに、多くの観光客が集まります。「いずれ菖蒲か杜若」ということわざで有名なこの花たちは、出展でどちらも美しくて、選択に迷う事この上ない様子の例えです。

 

初夏に見頃を迎える紫色の花々はどれも甲乙つけがたい美しさをそれぞれに誇っています。過ごしやすく、気持ちも晴れやかになる春を過ぎ、気温の変化や、鬱陶しい長雨に沈みがちな初夏の季節に、心を慰めてくれるからこそ、長く愛される理由なのでしょう。

f:id:smartphone-unyou:20170713072306j:plain